体力・栄養・免疫学雑誌 第18巻 第1号 2008年 目次
[巻頭言]
予防医学への取り組み 笹原信一朗 ・・・2
[原著]
格技系競技スポーツ選手による2時間の稽古の実施が身体的・精神的疲労の出現に及ぼす影響とその特性について ―大学相撲選手と柔道選手の比較―
齊藤一雄,梅田孝,松本茂,小川光哉,小嶋新太,田辺勝,山本洋祐,片桐朝美, 高橋一平,中路重之 ・・・3-13
スズメバチ成虫成分含有ハチミツ飲料が持久的運動時の血液性状に与える影響
岩本もりえ,岩本浩之,樫村修生 ・・・14-27
卵白由来ペプチド摂取が持久性運動時の体温調節反応とエネルギー代謝に与える影響
白土男女幸,菅美奈子,吉田善廣,金武祚,出町耕一,芳田哲也 ・・・28-38
長期持久的運動トレーニングがノルエピネフリン誘発性肺動脈圧上昇に及ぼす影響
樫村修生,島﨑あかね,高橋弘彦, 伊藤孝 ・・・39-44
Helicobacter pylori感染と動脈硬化との関連に関する疫学研究: 木健康増進プロジェクトにおける一般住民での検討
古川照美,西村美八,中路重之,松坂方士,岩山居聖典,高橋一平,下山克,福田真作,梅田孝 ・・・45-56
[短報]
トレーニング様式が基礎代謝量に及ぼす影響
高橋弘彦,栁谷怜兵,藤井久雄,樫村修生 ・・・・57-63
スポーツ選手の身体状況が基礎代謝量に及ぼす影響
高橋弘彦,栁谷怜兵,藤井久雄,樫村修生 ・・・64-72
スポーツ選手における基礎代謝量の個体内変動に関する検討 ―大学男子陸上競技投擲選手の一例―
高橋弘彦,栁谷怜兵,藤井久雄,樫村修生 ・・・73-81
《巻頭言》 「予防医学への取り組み」
筑波大学大学院人間総合科学研究科生命システム医学専攻
小野寺記念明日佳 長寿医学寄附講座 講師 笹原信一朗
今回先の8月30日・31日に大分県立病院 佐分利能生大会長のもと湯平温泉にて開催された第18回体力・栄養・免疫学会大会に参加させて頂き、連綿と続く本学会の歴史を菅原和夫前学会長の特別講演で勉強させて頂きました。そんな矢先、本年10月2日に第2代目本学会長の大分大学の倉掛重精先生の訃報に触れ大変驚きました。あらためてここに慎んで倉掛先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
私は、大学院で予防医学を学んでいた頃に共同研究のご縁を頂いた金沢大学大学院の中村裕之教授にお誘い頂き第14回体力・栄養・免疫学会に初めて参加させて頂きました。軽井沢の故三島昌夫先生の別荘での研究会以来連綿と続く、非常に真摯に親身な雰囲気のなか行われる学会での議論に触発され、懇親会での非常に温かい雰囲気に育てて頂き、現在筑波大学大学院に職を得て予防医学研究を地道に続けている次第です。以来、私をはじめ当研究グループの多くの大学院生が本学会で日頃の研究成果を発表させて頂き、論文にまとめることが出来ているのも本学会のおかげと感謝申し上げます。
また、私の所属する松崎一葉教授主催する研究室は、「広く社会に役立つような実践的予防医学研究」をテーマに「環境と健康」に関する様々な分野の予防医学研究に取り組んでいます。当研究グループの大きな特徴として、弘前大学大学院同様に様々なバックグラウンドを有する教官や大学院生が多様な研究テーマに取り組んでいることが挙げられます。研究室には精神科医、内科医、保健師などの博士課程大学院生のほかに修士課程学生、企業で勤務する社会人大学院生が在籍・修了しており、医学部の学生も積極的に研究に参加しています。毎週のミーティングでは教官のスーパーバイズの下、各人の視点を生かした幅広い討論が行われています。主な研究テーマは「職場のメンタルヘルス改善に関する介入研究」、「研修医の労働安全衛生に関する研究」、「労働安全衛生に対する企業意識の調査研究」、「労災鑑定事例の調査研究」など労働者の健康管理に関する研究のほかに、「宇宙飛行士の精神的健康管理手法の開発に関する研究」といったユニークなものもあります。
現代の予防医学は、生活習慣病などの疾病予防にとどまらず、地域や職域でのリスク管理・教育現場での幼少期からの健康教育啓発活動・平均寿命から健康寿命の重視へと、その軸足が、全年齢にわたるプロアクティブメディシン(事前行動型医学)へと移行しつつあります。このような時代の要請に応えるべく一貫した健康長寿医学の確立と予防普及のための研究を国際的視野に立って取り組んでいければと考えています。今後とも本学会において研究成果を発表し、諸先生方にご批判頂き議論を深めていきたいと存じますので何卒よろしくお願い申し上げます。
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