体力・栄養・免疫学雑誌 第18巻 第2号 2008年 目次
[巻頭言]
論より証拠 林修 ・・・86
[ORIGINAL ARTICLE]
Negative correlations between free histidine content in plasma and BMI or area of visceral fat
Yuko AMAMIYA, Shigeru NAKAJIMA, Keiichi IKEDA, Naoki SHIDA, Fumiyuki YAMAKURA, Sachio KAWAI, Yuji NAKAZATO, Shizuo KATAMOTO, Isamu KABE, Takahide TSUCHIYA, Hideaki IWAI ・・・87-91
[原著]
L-カルニチン配合飲料の単回摂取が運動時のエネルギー代謝に及ぼす効果
藤井久雄,石黒寛,内田絵理子,山本敏 ・・・92-98
高校柔道選手における身体組成の特性とコンディショニングについて
田辺勝,梅田孝,高橋一平,山本洋祐,古賀稔彦,小嶋新太,小山田和行,鈴川一宏,三宅良輔,瀬尾京子,中路重之 ・・・99-105
ルミノール依存性化学発光を応用した血清総抗酸化能の2測定方法の比較
熊江隆 ・・・106-115
[第18回体力・栄養・免疫学会大会抄録]
(一般演題)
限界的長時間労働に関する研究
第2報-勤務医を対象とした当直明け時の認知機能測定に関するパイロット研究- 116-117
笹原信一朗,富田絵梨子,高木麻理子,羽岡健史,大井雄一,
梅田忠敬,宇佐見和哉,林美貴子,友常祐介,谷口和樹,吉野聡,
望月昭英,前野哲博,松崎一葉(筑波大学大学院 人間総合科学研究科)
筑波研究学園都市における職業性ストレスの変化について 118-119
友常祐介,大井雄一,羽岡健史,梅田忠敬,林美貴子,
宇佐見和哉,富田絵梨子,谷口和樹,吉野聡,笹原信一朗,望月昭英,
松崎一葉(筑波大学大学院人間総合科学研究科社会環境医学専攻環境保健グループ)
健康習慣と身体的・精神的健康度に関する研究―筑波研究学園都市における大規模調査より― 120-121
大井雄一(筑波大学大学院人間総合科学研究科社会環境医学専攻環境保健グループ)
5Meo-AMT(指定薬物)およびAMT(麻薬)投与マウスで認められる行動の差違について 122-123
宮澤眞紀,小島尚,中路重之 (神奈川県衛生研究所,弘前大学大学院)
心の健康問題により休業した労働者の職場復帰に関する事例研究 124-125
林美貴子,大井雄一,羽岡健史,梅田忠敬,宇佐美和哉,富田絵梨子,
谷口和樹,友常祐介,吉野聡,笹原信一朗,望月昭英,
松崎一葉(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
高等学校の薬物乱用防止講話におけるアンケート調査結果について 126-127
小島尚,佐藤善博,折原直美,丹羽加代子,熊坂謙一,
宮澤眞紀(神奈川県衛生研究所理化学部,同企画情報部)
抑うつ状態と過敏性腸症候群の関係 128-130
檀上和真,工藤久,高橋和幸,久米田桂子,大西基喜,工藤うみ,
北川直子,中路重之(弘前大学大学院医学研究科社会医学講座)
労働者のワークライフバランスに関する疫学研究~筑波研究学園都市における横断調査結果より 131-132
宇佐見和哉,大井雄一,羽岡健史,梅田忠敬,林美貴子,富田絵梨子,
友常祐介,谷口和樹,吉野聡,笹原信一朗,松崎一葉(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
健康づくりのための足湯の効果 133
山口豪,河口貴徳,高橋可菜,島田達生(大分大学医学部生体分子機能制御講座,
大分大学医学部看護学科健康科学講座,大分大学医学部附属病院)
背負子型腰部負担軽減具の補助モーメントの測定 134-135
渡邉昂弘,阿部竜司,今戸啓二,三浦篤義
(大分大学大学院工学研究科福祉環境工学専攻,大分大学総合科学研究支援センター)
能登半島地震による高齢者の健康被害―仮設住宅住民対象の調査から― 136-137
神林康弘,人見嘉哲,日比野由利,中村裕之
(金沢大学大学院医薬保健研究域医学系環境生態医学・公衆衛生学)
成長期の子どもの体格・体力と生活状況に関する一考察 138-140
―小学6年次と中学2年次の比較―
中澤成子,松坂方士,高橋一平,檀上和真,梅田孝,中路重之,戸塚学
(弘前大学大学院教育学研究科,弘前大学大学院医学研究科社会医学講座)
柔道選手における身体組成の特性について 141-142
井上亮,鈴川一宏,山本洋祐,田辺勝,小嶋新太,古賀稔彦,矢野智彦,
奥村俊樹,樗木武治,梅田孝(弘前大学大学院医学研究科社会医学講座)
学校における食物依存性運動誘発アナフィラキシーの認知度について 143-145
工藤香織,樋園和仁((別府大学食物栄養学科)
著明な低栄養を来たした腸管症型T細胞リンパ腫 146
池邊太一,宮崎泰彦,大塚英一,佐分利能生(大分県立病院血液内科)
生薬・ハーブに含有される元素濃度と効能に関する研究 147-150
大森佐與子,中野幸広(大妻女子大学社会情報学部,京都大学原子炉実験所)
糖尿病患者の日常生活における意識調査 151-152
白井範子,次森久江,池邊ひとみ,宇都宮みどり,瀬口正志,中丸和彦,
神徳美香,中西美子,来嶋礼子(大分県立病院栄養管理室,大分県立病院内分泌代謝内科)
各種肥満指標とbaPWVとの関連 153-155
沼澤さとみ,松坂方士,檀上和真,山居聖典,井上亮,岩根かほり,
高橋一平,梅田孝,中路重之(弘前大学大学院医学研究科社会医学講座)
脳血管疾患の急性期以降における摂食嚥下障害についての検討 156-158
緒方智宏,樋園和仁,中野真由美,
本田昇司(別府大学食物栄養学科,別府リハビリテーションセンター)
各種身体組成評価値と身体機能との関連 159-161
上谷英史,松坂方士,檀上和真,山居聖典,井上亮,岩根かほり,高橋一平,梅田孝,戸塚学,
中路重之(弘前大学大学院医学研究科社会医学講座,弘前大学教育学部保健体育講座)
呼吸機能と身体組成値との関連 162-164
平川裕一,松坂方士,檀上和真,山居聖典,井上亮,岩根かほり,高橋一平,梅田孝,
塚本利昭,石川朗,中路重之 (弘前大学大学院医学研究科社会医学講座,
弘前大学医学部附属病院リハビリテーション部,札幌医科大学保健医療学部臨床理学療法学講座)
足関節底背屈運動に伴う筋ポンプ作用に関する考察 165-166
藤川ひかり,富永大樹,今戸啓二,三浦篤義,
大西謙吾(大分大学大学院工学研究科福祉環境工学専攻,岡山県立大学情報工学部)
骨髄自動吸引装置の開発 167-168
今戸啓二,富永大樹,三浦篤義,永利益嗣,佐分利能生(大分大学,大分県立病院)
当院で経験した特発性血小板減少性紫斑病(以下TTPと略す。)の7例 169-171
中山俊之(大分県厚生連鶴見病院 血液内科)
高齢者における貧血~施設在住者を対象として 172
宮崎美樹,宮崎士郎,志手明美,伊藤茉奈美,土師寿三,土師忠義,
宮崎晃一 (医療法人宮崎病院,特別養護老人ホーム情話園)
血清Se濃度と好中球機能の関連 173-175
李相潤,松坂方士,檀上和真,山居聖典,井上亮,岩根かほり,高橋一平,梅田孝,板井一好,
中路重之(弘前大学大学院医学研究科社会医学講座,岩手医科大学医学部衛生学公衆衛生学講座)
呼気中CO濃度と好中球機能との関連 176-178
三上誠,松坂方士,檀上和真,山居聖典,井上亮,岩根かほり,高橋一平,梅田孝,
中路重之(弘前大学大学院医学研究科社会医学講座)
慢性萎縮性胃炎と血清オプソニン化活性との関連について 179-181
松坂方士,津谷亮佑,倉内静香,岩間孝暢,下山克,坂本十一,福田眞作,
中路重之(弘前大学大学院医学研究科社会医学講座,弘前大学大学院医学研究科消化器血液内科学講座)
気管支喘息と血清微量元素との関連 182-184
漆館聡志,松坂方士,檀上和真,山居聖典,井上亮,岩根かほり,高橋一平,梅田孝,板井一好,
中路重之 (弘前大学大学院医学研究科社会医学講座,岩手医科大学医学部衛生学公衆衛生学講座)
プロサッカー選手における2時間の練習が好中球機能・血清中抗酸化物質に及ぼす影響について 185-187
山居聖典,須田芳正,三宅良輔,小山内弘和,瀬尾京子,宮澤眞紀,西野加代子,椿原徹也,岡村典慶,
梅田孝(弘前大学大学院医学研究科社会医学講座,慶應義塾大学体育研究所,日本体育大学,
神奈川県衛生研究所,武蔵工業大学,日本文理大学)
一般成人男性における身体活動量と好中球機能の関係 188-190
岩根かほり,佐藤淳也,西村美八,小枝周平,澄川幸志,熊谷貴子,伊藤治幸,
梅田孝(弘前大学大学院医学研究科社会医学講座)
親子に生じた巨赤芽球性貧血 191-192
佐分利能生,岩永育貴,浦上久仁子,池邊太一,宮埼泰彦,
大塚英一(大分県立病院血液内科)
《巻頭言》論より証拠
女子栄養大学教授 林 修
栄養大学に着任して17年、栄養と免疫、健康維持増進のかかわりを中心に研究・教育に携わってきた。それ以前は、順天堂大学医学部衛生学教室菊池正一教授のもと、昼夜逆転や温熱環境変動の免疫機能への影響など、環境生理・生気象学研究に従事させていただいた。その関係で、本学会監事、早稲田大学大学院・人間科学学術院町田和彦教授のお誘いもあり本学会に席をおくことになった。女子栄養大学では、「食を通して人々の健康の増進と、病気を予防する実践的人材を育て、社会に貢献する」ことを建学の精神とし、「食」「栄養」「健康」に係わる知識・技術を実践して人々の福祉向上に貢献する人材の養成を教育目標としている。創設者香川昇三先生・香川綾先生は東京帝国大学医学部島薗順次郎内科学教室にて、脚気に対するビタミンBlの研究とともに、「主食は胚芽米、副食は、魚1、豆1、野菜4」を提唱して予防医学の手法を家庭の食卓に広めた。脚気のビタミンBl欠乏症説にまだ異論が残る昭和初期のことである。この一月、「鴎外は何故袴をはいて死んだか-「非医」鴎外・森林太郎と脚気論争」(公人の友社)が刊行された。著者は志田信男氏-東京薬科大学名誉教授、「伝承と医学」誌主幹。2004年のアテネオリンピック開会式TV放送冒頭に、氏のギリシャ訳詩集一節が引用放映された。日清・日露両戦役で脚気による戦病死者三万余名を出した背景には、麦飯食支給によってすでに予防・治療できていた事実を「学理」がないとして無視・攻撃し続けた陸軍軍医中枢部や当時の東大医学部の固執と、その指導的イデオローグとしての鴎外があった。不思議にも我が国の多くの科学史・医学史書の記述には、この事件を削除し捏造しようとする意図がみられる。氏は、これらの「暗愚」にエイズ薬害や丸山ワクチン許認可論争など今日につながる医学界の問題の「根」があるとしている。最近の「食薬区分」見直しで、東洋やインドで民間医療に用いられてきた草木が、「専ら医薬品として使用される成分本質」として規制される。長年培ってきた文化と知恵をわが国の規制の枠に閉じ込めてしまう愚を重ねている気もする。話を戻して、鴎外は何故袴をはいて死んだか。死の三日前の1922年7月6日に口述筆記させた鴎外の遺言には、「宮内省陸軍ノ栄典ハ絶対ニ取リヤメヲ請フ」とある。が、筆受の二日後の8日には従二位を受けている。鴎外がまだ手にしていないただ一つの「栄典」の「爵位」にこだわり、死の直前まで「着袴」して病床にあった。しかるにその御沙汰はなく、「馬鹿々々しい」と呟いて昏睡状態にはいったとのことである。鴎外は、軍医総監・陸軍省医務局長を務めるほか、衛生学・医学はもとより小説・戯曲・詩・短歌等々多岐にわたって超一流人だった。しかし、病める人の治療より「学理」を優先させてその反省・謝罪もない高慢な「非医」に走らせたこの時代は、まだ西欧の根源的エートスethosの表面を撫でているにすぎない、まさに「模倣の時代」であった。津和野藩の典医とはいえ、小藩の貧士族的エートスが明治期の立身出世主義と表裏一体の権威主義に結びついた結果と、氏は結んでいる。
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