体力・栄養・免疫学雑誌 第21巻 第1号 2011年 目次
[巻頭言]
大震災の中で思う
津谷亮佑 ・・・2
[RIGINAL ARTICLE]
Relationship Between Exhaled Carbon Monoxide Level and Lifestyles in the General Population
Ryosuke TSUYA, Takashi UMEDA, Kaori IWANE, Masashi MATSUZAKA, Kazuma DANJO, Ippei TAKAHASHI, Shigeyuki NAKAJI ・・・3-8
Effects of a Group Dynamics Approach on Motivation to Exercise
Toshiko TOMISAWA, Hideaki YAMABE, Maiko KITAJIMA, Kyoko TAGAMI, Umi KUDO, Yoshiko NISHIZAWA ・・・9-16
[原著]
青森県の児童生徒の喫煙状況の実態とその対策に関する研究
大西基喜,松坂方士,高橋一平,檀上和真,梅田孝,久米田桂子,古川照美,中路重之 ・・・17-27
高齢者の健康・体力増進を目的とした運動実践教室が各種健康指標に及ぼす影響
三宅良輔,高橋一平,岩根かほり,平川裕一,上谷英史,伊藤由美子, 戸塚学,松坂方士,檀上和真,梅田孝,中路重之 ・・・28-36
ランプ負荷法で決定した最大脂質酸化量を示す運動強度における長時間運動中の自覚的運動強度と脂質酸化量
高木俊,小西真幸,緑川泰史,坂本静男,勝村俊仁 ・・・37-44
[学会則] ・・・・・45-48
[投稿規定] ・・・・49-50
《巻頭言》 大震災の中で思う
弘前大学大学院医学研究科
津谷亮佑
本学会も昨年で20周年を迎え,平成22年8月28,29日に青森県西目屋村で行われた記念大会は,皆様のご協力のお陰をもちまして無事に開催することが出来ました。ここに改めまして皆様に対しての御礼を申し上げます。
白神山地の大自然の麓で,個々の知見と交流を深めることを目的として,我々は記念大会を運営しました。研究には多くの人の協力が必要であること,そして知見を深めるためには分野を超えた交流が必要であることを,大会を通して学ばせて頂きました。このため,人の繋がりをテーマにして本稿を進めるつもりでおりましたが,そうした中で最近日本中を揺るがす出来事が起こりました。東日本大震災です。この震災は,人々の心にとてつもなく大きな爪痕を残しております。
地震は,平成23年3月11日午後2時46分,東日本太平洋沖にて発生しました。この地震は,日本での観測史上最大であるマグニチュード9.0を記録し、日本列島に未曾有の被害をもたらしました。平成7年の阪神淡路大震災は,家屋倒壊や火災による被害が大きかったことに比較すると,今回の震災被害はとりわけ津波の恐ろしさを再認識させられたものであったと言えます(もちろん原発による被害も今後大きなものになると予想されますが)。その津波の高さですが,岩手県大船渡市にて観測された23。6mを最大として,多くの地域が高さ十数mの津波に襲われる,まさに『想定外』の大津波でした。地震直後から停電になってしまった青森県内でしたが,ちょうど車に乗っていた私はテレビで実際の津波の映像を目の当たりにしました。漁港が波に飲み込まれ,車や家が流される様子に思わず涙がこぼれました。弘前市内でありましたが,震度4程度の揺れに高だか30時間足らずの停電,加えて津波映像の衝撃により我々は充分な不安を感じてしまったわけです。ならば災害中心地の被災者の方々の不安そして恐怖は,如何ばかりでしょうか。
現在,多くの支援活動が行われています。食事や飲料などの支援物資を送る活動,医薬品不足への対応に加えて,被災地情報を集約して対応する仕組み,臨時通信設備の設置など二次被害対策などが挙げられます。すべての支援活動は多くのボランティアおよび多岐にわたる分野の専門家,各種機関などにより行われ,多くの問題点が横の協力・連携により解決されています。
研究の分野においても,周りの多くの協力なしでは成り立たないと思います。行き詰まったときに,周りの助けや何気ない一言で打開されることも多いと思います。また,異なる分野の考え方が新しい研究の切っ掛けになることも少なくないと考えます。当学会の特徴は多岐にわたる分野の方々が参加しており,他の学会に比べてその繋がりが強いことです。すなわち,この多彩な分野間の強い繋がりは研究において非常に重要であり,得難いものではないでしょうか。 東日本大震災のニュースを聞きながら,皆様の今後の研究の益々の発展・増進に期待する次第です。
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